【耳鼻咽喉科】三鷹台ヒルズクリニック:京王井の頭線 三鷹台駅前

アレルギー性鼻炎について

アレルギー性鼻炎

人の鼻では侵入してきた特定の物質(抗原)を自分以外の物質(異物)と判断すると、それを無害化しようとする反応(抗原抗体反応)が起こります。その結果、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が出てくる病気をアレルギー性鼻炎と言います。花粉症もアレルギー性鼻炎の一つで、草花の花粉が原因です。アレルギー性鼻炎は決まった季節だけに鼻の症状が起きる【季節性アレルギー性鼻炎】と、一年を通じて起きる【通年性アレルギー性鼻炎】に分けられます。花粉症はアレルギー性鼻炎の代表的な病気です。ただし、花粉症では鼻炎の他にも結膜炎や咽頭炎など鼻以外のアレルギー性炎症を起こします。

Q&A

花粉症にはどんなものがありますか?
花粉症は国内だけでも約60種類あります。そのうち、春に起きるスギ・ヒノキ花粉症がわが国では最も多く見られます。初夏にはカモガヤなどのイネ科の草花、秋にはブタクサ・ヨモギなどキク科の草花による花粉症も見られます。北海道で見られるシラカバ花粉症のように地域特有の花粉症もあります。
アレルギー性鼻炎は遺伝しますか?
親のアレルギー体質は子どもに受けつがれることが多いようです。両親や兄弟にアレルギーがあると、アレルギー性鼻炎が起こりやすいと言えるでしょう。ただし、アレルギー性鼻炎の症状が出る時期(発症時期)や、アレルギーを引き起こす原因物質には個人差があります。また、すべてが遺伝によって決まるわけではなく、さまざまな生活環境も影響します。
アレルギー性鼻炎は何歳位からかかりやすくなるのでしょうか?
6歳前後から、医師の診察を受ける子どもが急に増えます。平成15年度の日本耳鼻咽喉科学会・学校保健委員会の調査ではアレルギー性鼻炎の罹患率は小学校で9.3%、中学生で11.1%と報告されています。以前は子どもには少ないとされていた花粉症も増加傾向にあります。
日常生活にどんな影響がありますか?
くしゃみ・鼻水・鼻づまりなど鼻の症状が長く続くため生活の質(QOL)は低下します。鼻づまりによる口呼吸のために、のどの渇きや痛み・かゆみ、頭痛を訴える事もあります。その他、不眠、授業中の居眠り、イライラ感、全身倦怠感や集中力の低下など学業への影響が出る事もあります。
アレルギー性鼻炎の診断や検査はどのようにするのですか?
鼻の中の状態を診察してアレルギー性鼻炎の疑いがあれば、必要に応じて採血をして血液中のIgE抗体(抗原抗体反応に深く関わる物質)の値を測ります。
アレルギー性鼻炎は治るのですか?
この病気は根本的には体質によるものなので「治る」という言い方は適当ではないかもしれません。しかし、治療や日常生活での注意(抗原との接触を絶つ事など)により症状を軽くしたり、出にくくする事はできます。その治療として免疫力を高める減感作療法があります。抗原がハウスダストの場合は70~80%、花粉症では30~60%の有効率ですが、治療を数年間続ける必要があります。
耳鼻咽喉科ではどのような治療が行われるのですか?
鼻水や鼻づまりを無くすために鼻の中を吸引し、薬を噴霧する鼻処置や薬のネブライザー療法(吸入治療)を行います。飲み薬としては抗ヒスタミン薬などがあり、外用薬としては点鼻薬が使われます。最近はさまざまな種類の薬が開発されて、症状やその程度に応じて使い分けられています。
自分でできる予防法はありますか?
原因物質(抗原)との接触を断つことが一番の予防法になります。ハウスダストやダニが原因であれば寝具を日光に干した後、掃除機でほこりやダニを吸い取ります。室内の掃除を頻回に行い、ダニが発生しやすいカーペットや敷物の使用は避けましょう。花粉症の場合は、晴れた日や風の強い日の外出をなるべく控えます。また、帰宅時には室外で花粉を払い落とし、うがい・洗顔・洗眼などを行います。その季節には窓も閉めておきましょう。花粉が飛びはじめる少し前から、予防的に薬を使いはじめる方法もあります。日頃から体調を整え、過労、ストレスを避け、規則正しい生活を心がける事も大切です。
他の病気との関連性はありますか?
喘息やアトピー性皮膚炎などの関係が深い事がわかっています。また、鼻づまりや鼻水が続くと気管支炎などの呼吸器疾患や急性中耳炎、滲出性中耳炎を起こしやすくなります。アレルギー性鼻炎をおこしている粘膜は薄くて傷つきやすい状態であるため鼻出血しやすくなります。適切なアレルギー性鼻炎の治療を受けると鼻出血は出にくくなります。
妊娠中に花粉症の症状がひどい場合、どんな薬なら使っても大丈夫でしょうか?
胎児への薬の影響は、胎児の月齢、薬の効能、用量によって決まります。妊娠2カ月以内なら投与された薬物に毒性があれば流産してしまいます。2~4ヶ月は先天異常が出やすい危険な時期です。この段階で胎児に到達する薬は流産や先天異常が発生する危険があります。それ以後では薬物が入っても先天異常は起こしにくいのですが、正常に形成された胎児の器官や組織の機能と成長を変化させる事があると言われています。
先天異常の起こる割合は3~4%と言われています。ですから、薬を飲んだ時の先天異常の発生率がこれと同じくらいの値ならその薬は使っても問題ないと考えられます。
つわりの薬は基本的には抗ヒスタミン薬で、これは花粉症で使われる薬と同じ種類です。しかも、つわりがひどい時には薬を使った方が使わないよりも安全性が高くなると言われています。ですから抗ヒスタミン薬は基本的に安全と言えます。もう一つよく使われる副腎皮質ステロイドの点鼻薬も新しいものならほとんど血中に入らないので安全です。とは言っても、薬を使うのは怖いという印象がぬぐえないかもしれませんから、妊娠早期はできるだけ薬物以外の治療法を選択して、症状が強いときはステロイドなどの点鼻薬を用い、後期になったら安全な内服薬を使うのが妥当でしょう。
アレルギー性鼻炎がありステロイド点鼻薬を処方されています。何ヶ月も使用を続けて副作用の心配はありませんか?
投与した薬が血中に入り全身的な効果を発揮するものなら、それを長期に使えば副作用(ホルモンの乱れ、高血圧、むくみなど)が起こる事は想像できます。副腎皮質ステロイドの点鼻薬にはいくつもの種類がありますが、現在アレルギー性鼻炎に使われているものは、鼻や胃の粘膜から吸収されて血中に入る割合は極めて低いと言えます。鼻の刺激感や出血が稀にありますが、鼻への入れ方の工夫で防止できます。1年以上点鼻を続けた鼻の粘膜を顕微鏡で調べると、表面が傷つくといったような病的な所見はなく、アレルギー性鼻炎の所見が改善し、きれいになっています。ただし、アレルギー性鼻炎用でなく嗅覚障害用に用いられるステロイド点鼻薬では、長期使用で副作用が出る恐れがあります。
子供のアレルギー性鼻炎ですが、「放っておくと喘息になるよ」と言われましたが本当ですか?
小児期のアレルギー性の病気の進行を示した「アレルギーマーチ」という言葉があります。アトピー素因のある人に、アレルギー性の病気が次から次へと発症してくる様子を言ったもので、最初はアトピー性皮膚炎、次に喘息、それから後になってアレルギー性鼻炎が出てくると言うものです。最近では「一つの気道、一つの病気」という概念が出され、鼻も気管支も同じ気道なのだから、共通のアレルギーによる病気が出てもおかしくないと考えられるようにもなりました。そこから、アレルギー性鼻炎を放っておくと同じアレルギーによる炎症の気管支喘息が出てきてしまうと説明がなされています。欧米の研究では確かにアレルギー性鼻炎の治療をきちんとすると、喘息の発生率は下がる事が分かりました。また一方で、子どもの喘息が成長すると治っていくのも事実で、約70%が14~15歳までに治ります。
アレルギー性鼻炎のレーザー治療に興味があります。詳しく教えてください?
アレルギー性鼻炎のレーザー治療は、ホコリ、ダニに対する通年性のアレルギー性鼻炎やスギ花粉症の治療として行うものです。鼻粘膜を麻酔薬のしみこんだガーゼなどで麻酔してから、粘膜の表面を医療用レーザーで焼きます。手術時間は片側5分程度で、疼痛や出血はほとんどなく、外来で行うことが出来ます。効き目には個人差がありますが、約9割の方で効果が見られます。手術後に鼻粘膜が腫れる事がありますので、スギ花粉症の場合には季節前に手術を受ける事をお勧めします。
鼻づまりのため市販の点鼻薬を頻回に使うようになってから効果が落ちてきました。なぜですか?
市販の点鼻薬は、鼻粘膜の血管を収縮させる事により粘膜の腫れを引かせ、短時間で鼻の通りを良くします。点鼻薬を頻回に長期間使い過ぎると、血管の薬に対する反応が悪くなってしまい、鼻がつまり、【点鼻薬性鼻炎】といわれる状態になる事があります。【点鼻薬性鼻炎】では点鼻薬が効きにくくなっており、薬の回数を増やしがちになりますが、改善するためには、まず点鼻薬の使用をやめる事が必要です。しかし、実際には点鼻薬をやめる事は難しいので耳鼻咽喉科を受診する事をお勧めします。
朝寒い時や、埃っぽい所でくしゃみや鼻水がよく出ます。耳鼻咽喉科で血管運動性鼻炎と診断されました。どんな病気ですか?
いわゆるスギ花粉症など、アレルギー性鼻炎と同様に、鼻水、くしゃみ、鼻づまりの症状が続くものの、アレルギーの原因となる物質、つまり抗原を特定できない場合、【血管運動性鼻炎】という診断がつきます。自律神経系の異常により起こると言われていますが確定はしていません。多くの場合、急激な気温の変化や精神的ストレスなどがあると症状が出ます。根本的な治療法はなく、薬による治療はアレルギー性鼻炎と同じになります。症状が出るきっかけが分かれば、それをなるべく避けるのも一つの方法です。

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