扁桃炎
風邪の症状と共に扁桃炎を起こす事は良くありますが、厳密には分けて考えた方が良いでしょう。急性扁桃炎では、扁桃が赤く腫れ、白い膜のようなものが点々と付きます。ひどくなるとべっとりと扁桃に付くことがあります。これは、主に細菌による炎症のためで風邪とは別の病気です。このような急性扁桃炎を繰り返す事を【習慣性扁桃炎】または【反復性扁桃炎】と言います。学校健診で診断される扁桃炎はこのような状態の事を指しています。
Q&A
- 溶連菌が原因の急性扁桃炎で注意する事はありますか?
- 溶連菌とは溶血性連鎖球菌の略称です。この細菌の感染症は腎炎や心臓弁膜症の原因になるリウマチ熱を引き起こす事があります。喉の痛みなどの症状が無くなっても、一定期間抗生物質を服用する必要があります。
- 扁桃炎が原因で他の病気になる事はありますか?
- 腎炎やリュウマチ熱の他に、扁桃炎が感染病巣となり、手の平や足の裏に膿疱ができる掌蹠膿胞症(しょうせきのうほうしょう)という病気が知られています。
- どのような時に扁桃を取らなければならな?
- 扁桃は免疫機能の一部を担っている器官なので、手術前に十分な検討が行われてから手術が決定されます。年に4~5回以上扁桃炎のための高熱で学校を休まなくてはならないような時や、病巣感染の原因になっているような扁桃は手術で取る事をお勧めします。
アデノイド
扁桃は口蓋扁桃、咽頭扁桃(アデノイド)、舌扁桃などが喉の入口を取り囲むようにあります。アデノイドが大きい状態をアデノイド増殖症、アデノイド肥大、咽頭扁桃肥大などと言い、単にアデノイドと省略して言う事もあります。アデノイドは3歳頃から大きくなり始め6歳頃が最大になります。その後は少しずつ小さくなっていき、大人になるとほとんど見られないくらいになります。
- アデノイドはどのような症状がでますか?
- 鼻の奥で空気の通り道を狭くするために鼻で息が出来にくくなり、口で息をしたり、いびきをかいたりします。ひどくなると、寝ている時に息が止まる睡眠時無呼吸症候群を起こします。また、アデノイドの近くには中耳につながる耳管が開いているため滲出性中耳炎の原因になったり、鼻の通りが悪くなるため副鼻腔炎の原因になったりします。