耳鼻咽喉科・口腔・咽頭
鼻、口、喉(咽頭と喉頭)はそれぞれつながっており、呼吸、嚥下(えんげ:物を飲み込む動作)、発声、ことばを発するなどの働きをしています。前の方にあるのが鼻腔、口腔、喉頭です。後ろの方にあるのが咽頭です。
咽頭の重要な働き
- 【上咽頭】鼻で呼吸をする通り道
- 【中咽頭】呼吸と食べものの通り道
- 【下咽頭】呼吸と食べものの通り道
口腔には歯、歯肉、舌、頬粘膜、唾液をつくる耳下腺と顎下腺の管の出口があり、上の方には硬口蓋があります。口蓋垂(こうがいすい)や口蓋扁桃は中咽頭になります。また、子供の時に肥大している扁桃組織として、上咽頭にはアデノイドがあり、鼻づまりの原因となります。口蓋扁桃に繰り返し炎症が起きると、発熱、咽頭痛のほか心臓、腎臓、関節、皮膚など体の他の部位にも悪影響を及ぼすことがあります。また扁桃やアデノイドの肥大は睡眠時呼吸障害の原因ともなります。耳下腺や顎下腺などの唾液腺の病気には、ドライマウス(口腔内の乾燥)を起こすものから、良性腫瘍や癌も認められますので、耳鼻咽喉科を受診してください。
耳鼻咽喉科・舌・味覚
舌乳頭の種類
- 【有郭乳頭】(ゆうかくにゅうとう)
- 【葉状乳頭】(ようじょうにゅうとう)
- 【茸状乳頭】(じじょうにゅうとう)
人間は物をたべるときに味を感じますが、これは食物の中に含まれている味の成分が唾液に溶けて、口の中にある味を感じる細胞(味細胞)が甘味、塩味、苦味、酸味、旨味を感じるためです。この5つを基本味といい、これらの組み合わせによってさまざまな味覚が生まれます。味細胞の多くは、舌表面の舌乳頭(ぜつにゅうとう)という小さなふくらみにある味蕾(みらい)の中にあります。このため、唾液の出が悪くなったり、舌の炎症があったり、味細胞の働きが悪くなったりすると、味覚の障害が起こりますので耳鼻咽喉科を受診してください。
Q&A
- 鼻がつまっていると味が分からなくなるのはなぜですか?
- 食物の味は5つの基本味(甘味・塩味・酸味・苦味・うま味)とニオイ、舌ざわり、温度、色などが組み合わさって生まれます。ニオイを感じる嗅粘膜は鼻の天井にあります。鼻がつまっているとニオイ分子がこの嗅粘膜に届かず、まずニオイが分からなくなります。更に味が分からなくなり、食事がおいしくなくなります。これを【風味障害】といいます。検査をすると味覚自体には問題がない事が多いです。
また、鼻がつまっていると自然に口呼吸になります。すると口の中の粘膜が乾燥してしまい、味の分子がうまく唾液に溶けず味が分かりづらくなります。
また、乾燥により舌にある味を感じる味蕾(みらい)というところが傷つき、味が分からなくなる事があります。